訪問看護ステーションに転職したいけど不安な看護師さんに伝えたい訪問看護の実際と3つの魅力


こんにちは、訪問看護歴4年目の訪看ブロガーあすぴです。

この記事を読んでくださっているあなたは、訪問看護に興味を持っていただいた方だと思います。
訪問看護って実際の様子がよくわからず、私も転職する前は次のような不安を感じていました。

  • 訪問看護って大変そう
  • 訪問看護って1人でなんでも判断できなきゃいけないんでしょ?
  • 訪問看護に興味があるけど具体的には何してるの?

そんなあなたに、訪問看護ステーションに飛び込んだわたしから、訪問看護の実際をお伝えします。

目次

訪問看護って実際何をしているの?

訪問看護の実際って、なかなか想像しにくいかと思います。
病院勤務に似ているところもあり、全く異なるところもあります。

では、詳しく見ていきましょう。

1日の流れ

訪問看護師は基本的には日勤の時間帯をメインに働いています。

ステーションによって異なりますが、私が在籍しているステーションでは8時30分~〜17時30分が勤務時間1日平均5〜6件の訪問をまわります。
移動手段も地域により効率のいい方法がとられており、車やバイク、電動自転車などその地域によって使いやすいものが選択されています。

私が働くステーションでは電子カルテを導入していますので、専用のタブレットが支給されており前日までの看護記録の情報収集は自宅で空いた時間に行うため出勤はゆっくりです。

出勤するとスケジュールの最終確認をして、他の看護師と患者さんの情報共有をしたりオンコール(夜間当番制)の申し送りを聞いて訪問に備えます。
必要物品の準備も行います。
それぞれの確認が終わると1件目の訪問に出発します。
午前中の2〜3件の訪問をこなし、お昼はステーションに戻る日もあれば外で休憩することもあります。
午後の訪問開始に合わせて出発し、2〜3件の訪問をこなしステーションに戻って管理者へ患者様の報告をします。

ほとんど残業はありませんが、時々患者様の容体によっては訪問が長引いたり急遽予定外の訪問が入ったりで残業することもあります。
オンコールの夜間当番に当たる日は管理者から申し送りを受け、電話を持ち帰って出動に備えます。

業務の内容

訪問業務の内容は様々ですが、点滴やCV管理を行う患者様もいれば排泄介助や清潔ケアを行う患者様もいます。
もちろん医師の指示のもとで、看護計画に沿って看護を提供していますので、やること自体は病院と大差ないと思います。

ただ、自宅でケアを行うので物品は工夫や節約が必要です。
点滴架台がない代わりに、鴨居にハンガーをかけて点滴をしたりします。
訪問看護の知恵的な工夫はたくさんありますので、他の記事でどんどん紹介していきますね。

また、訪問看護には書類業務もあります。
医師への報告書や看護計画書、入院時の訪問看護サマリの作成なども業務の一つです。

その他病院から訪問看護に転職してから頻繁に行うようになったのが、患者様の担当ケアマネジャーへの情報共有です。
訪問時の患者様の状態変化などはマメに担当のケアマネジャーに電話しています。

病院にいた時と同じようにケアを行うこともあれば、病院ではあまり関わらなかった職種の人たちともコミュニケーションを図ることが増えました。

患者層、疾患の種類

在宅で生活する患者様は0歳から100歳以上の方までさまざまな年齢層の方がいます。
ステーションによっては小児看護特化で運営するところがあったり、リハビリや精神科、緩和ケアに特化したステーションもあります。

疾患も多岐にわたり、総合病院で分類された専門科に留まらず看護を行う必要があります。
生活習慣病からがん、難病、障害など「これ!」と言った疾患に偏らないのが在宅看護の特徴です。

もちろん看護師も全ての疾患の看護を経験してきた人はいませんので、経験したことのない疾患を抱えた患者様の看護に当たる際には勉強が必要になります。

しかし、知らない疾患名だからと怖がることはありません。
疾患名はあくまでも症状に付けられた総称でしかありません。
私が大切にするのは、疾患名ではなく患者様自身の人生観や死生観、生活に対する希望や思いです。

疾患名の囚われ過ぎると、目の前の患者様本人を見失いがちです。
疾患の理解ももちろん大切ですが、まずはその人がどんな人でどんな生活をしたいのかを第一に考えます。
その疾患を抱えるこの人がこの場所で生活するにはどうしたらいいか」を一緒に考えていくのが訪問看護師の役割の一つです。

ステーションによる特色

先述しましたが、全国には訪問看護ステーションが約12000箇所もあります。
大手企業が経営するフランチャイズ化した訪問看護ステーションから個人経営のステーションまでそれぞれ全く同じステーションはありません

マンションの1室を事務所に構えるステーションもあれば、介護福祉施設や病院内にステーションを設けているところもあります。
制服もさまざまで、白衣やスクラブを着るところもあれば私服で訪問するステーションもあります。

訪問看護ステーションへの転職をしたいと思ったら、まずは施設見学を兼ねて経営者や管理者(経営者と管理者が同じ場合もあります。)、そこで働く職員の雰囲気や売りにしているカラーをじっくり見てくるといいと思います。

経営者が看護師でない場合も多くありますから、可能であれば現場に立つ管理者や看護師から話が聞けるとよりいいですね。
転職してから「こんなはずじゃなかった」とならないように自分にあったステーション探しをしてください。

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訪問看護につきやすいイメージ「1人で判断しなきゃいけない」は嘘

訪問看護のイメージを病院勤務の看護師に聞くと、「1人で全部判断する能力がないし、私には訪問看護は無理だなぁ〜」と言われることがよくあります。

私も訪問看護師になる前は、そう思っていた1人です。
でも入ってみたら、1人で判断しなきゃいけないなんてことはなかったんです。

1人で判断しなきゃいけないことはない

訪問看護は1人の患者様に必ず1人主治医がいて、「訪問看護指示書」という書類を発行します。
指示書がなければ患者様への訪問は認められません。
そのため、患者様に状態変化があった場合には主治医に報告し、状態に合わせた指示をもらうことができます。

これって、病院でも同じではないですか?
在宅でも、医者と看護師は協力しあって患者様の生活を支えるチームメンバーです。

また、訪問看護ステーションの開設には最低2.5人の看護師が必要です。
患者様の対応で困ったことや心配に思う時には、管理者や同僚看護師に相談することができます。
スマホが普及した現在、ほとんどのステーションが社用の携帯電話やスマホを保有しており訪問先からもいつでも連絡を取り合える環境にあります。

現場の経験を重ねることで緊急時の対応には徐々に慣れ迅速な対応が可能となります。
慣れるまではその都度周囲の関係者に相談し、ともに答えを出すようにしていきましょう。

いきなり1人で訪問にいくステーションはほぼない

訪問看護ステーションに入職すると、まずはオリエンテーションや同行訪問から始まります。
そのため、いきなり1人で訪問に行くことはほとんどの場合ないと言っていいです。

訪問看護ステーションはほとんどの看護師が病院や施設での経験を積んでいることが多く、知識や経験はそれぞれ異なります
まずは入職先のステーションで、自分がどんな看護が得意でどんな分野が苦手なのか伝えることが重要です。

例えば、清潔ケアや排泄ケアは得意だけど人工呼吸器管理は苦手だ、という方は同行期間中に人工呼吸器を使用している患者様をなるべく多く見せてもらうよう調整してもらいましょう。
不安を抱えたまま同行終了となりひとり立ちした場合、患者様への対応が不十分になります。

それだけではありません。
あなたにとっても精神的な負担が増大することにもなります。
そうすると訪問看護師としての業務を続けることが難しくなり兼ねません。

全ての知識を持った看護師は存在しませんから、恥ずかしがらずに自信のない業務は「自信がない」と申告し、ひとり立ちする前に学習すればいいのです

教育システムはステーションごとに様々

先ほど同行訪問について記述しましたが、教育システムはステーションごとに設定されています。
わたしが知っている限りでも1回の同行でひとり立ちさせるステーションもあれば、3ヶ月はびっちり同行訪問を組むステーションもありました。
教育システムについても面接時に確認してみるとステーション選びの参考になります。

在宅看護未経験の看護師がひとり立ちするまでの教育システムがどのように組まれているか、同僚となる看護師や管理者に聞いてみましょう。

訪問看護の3つの魅力

ここまでは訪問看護の実際をお伝えしてきましたが、なんとなく想像できたでしょうか。

ここからはわたしが「訪問看護師になって良かった!」「訪問看護を続けていきたい!」と思えた訪問看護の魅力をお伝えしていきたいと思います。

自分のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができる

わたしが訪問看護に転職したのは、子供が2歳の時でした。

夜勤はできませんでしたが、オンコールであれば自宅で待機できましたし毎回オンコールで出動があるわけではないので無理なく正社員として働くことができました

基本的に土日祝日は休みのステーションだったので、世間のお休みと同じようにお休みをもらっています。

患者様の状況によっては交代で土日に訪問することもありましたが、毎週ではないのと直行直帰が可能だったので負担は少なかったです。

このようにステーションによって柔軟性のある働き方ができるため、自分のライフスタイルにあったステーション選びをすれば子供がいても常勤での勤務も可能です。

長期的に患者さんと関わることにより生活の質が目に見えて向上する

病院では2〜3週間で患者様がどんどん入れ替わり、退院後の生活はどうなっているかほとんど知らないまま目の前のルーティーンをこなすことで精一杯でした。

訪問看護に転職してから感じたのは、退院後から人生の最期まで患者様の生活を支えることができることの楽しさです。

一人暮らしで服薬管理が難しく入院を繰り返していた患者様には、看護師があの手この手で服薬が継続できるように支援し、結果的には体調を維持して入院をせずに在宅生活を続けることができるようになった方もたくさんいます。

癌末期でも自宅で最期まで過ごしたいと希望される患者様には、麻薬での疼痛コントロールを行い、亡くなる直前まで家族との団欒を楽しんだり、一番心地よいと感じる自宅で療養することができるのです。

看護師が定期的に伺い状態の確認をし、症状のコントロールをすることで家族も安心して介護することができます。

「家に帰ってこられて良かった。」とご満足いただけたときは、看護師としてのやりがいを強く感じます。

もちろん最期は病院で、という方もいますし、それを無理強いして在宅看取りを推奨するわけではありません。
自宅で過ごしたい期間を不安なく過ごすためのサポートをすることで、患者様の生活の質を向上することができるのです。

訪問看護師として働いていて良かったと感じる瞬間です。

在宅医療介護の大きなチームの中で看護師としての力を発揮できる

病院で働いていた時とは大きく異なると感じた点は、地域とのつながりです。

退院前カンファレンスに参加してくださる地域のケアマネージャーや往診医、そのほか介護福祉事業所の方をどこか「この患者様が退院したら自分は関係ない」と思っているところがありました。
今はそれらの人々との繋がりがとても重要と感じています。

1人の患者様にたくさんの業種の方が支援をしています。
訪問看護師はその中の一員として重要な役割を担っています
1人の患者様の生活を支えようと多くの専門家が尽力しています。

訪問看護師は1人ではありません
いろんな職種のチームメイトと協力することで、患者様の生活を支えることが出来ます。

訪問看護師は患者様を主役とした黒子でもあります。
しかしはっきりと言えるのは、訪問看護師は「大勢の中の1人」ではなく「患者様を支えるチームの1人」ということです。

その患者様にとって看護師にしか出来ないことがたくさんあります。
他の職種じゃ担えない役割が必ずあるのです。
つまり、あなたの暮らす地域にとって看護師であるあなたの力が必要ということです。

あなたの看護師という特性を、力を、貸してください。

まとめ

訪問看護師の実際から魅力についてお話しさせていただきました。
まだまだ訪問看護について語り足りない部分がありますが、以下の通りまとめさせていただきます。

  • 訪問看護はライフスタイルに合わせた働き方ができる
  • イメージより1人で判断する場面は少ない
  • 看護師の力で患者様のQOLはもっと向上できる
  • 看護師は在宅チームの中で重要な役割を担っている

看護のお仕事では、業界最大数の求人を誇り、訪問看護の求人も多く取り扱っています。
訪問看護に興味がある方は、ぜひのぞいてみて下さい。
全て無料で利用することができますので、求人を見てみるだけでも十分情報収集ができると思います。

ぜひあなたにあった訪問看護ステーションを見つけ、訪問看護師としての一歩を踏み出してください♪


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この記事を書いた人

総合病院で病棟勤務後、出産を機に訪問看護に転職。
訪問看護初心者であり、子育て真っ盛りの1児の母でありながら管理者に就任。3年半の管理者生活を降任し、現在は訪問看護師として働きながら新たな訪問看護師の仲間を増やすため初心者ブロガーとしても活動中。
お酒とホームパーティが大好きな30代半ばの働くママ。

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