オンコールは過酷?実際を知れば怖くない|訪問看護の夜勤、オンコールを400日連続でやってみた結果がこちら

こんにちは、現役訪問看護師ブロガーのあすぴです。


今回は訪問看護で働く際に不安に思う方が多いオンコールについてお話ししようと思います。


実際わたしは訪問看護の世界に飛び込んでから、連続約400日間のオンコール当番を行いました。
これは我ながらよくやったと思います(笑)


形の整ったステーションであればそんなことはないと思いますが、わたしの場合はステーションの
立ち上げから携わっていたため人員が不足していたんですね。
なのでオンコールの大変さは身にしみて共感します。


しかし訪問看護も病院同様に24時間ご利用者様の命を守る仕事です。
オンコールがあることで在宅生活を安心して過ごせるというご意見も多く聞かれます。
そんな訪問看護にとって重要な仕事のオンコールの実際をお伝えします。

目次

オンコールとは?


訪問看護ではオンコールという仕事があります。
病院で言うところの夜勤のようなもので、ご利用者様の体調不良時などに連絡をいただき対応する業務のことです。
相談内容によっては電話のみで対応することもあれば、夜中にでも緊急で訪問することもあります。

オンコールは訪問看護に必須の仕事なの?


全てのステーションがオンコール(24時間対応)を行っているわけではありません。

24時間の緊急時対応を行うためには、事業所として届け出が必要です。

全国訪問看護事業協会の調査※によると、緊急時対応を行う届け出をしているステーションは全国で85%以上となっています。

また、緊急時対応はご利用者様にとっても任意の加算(オプションのようなもの)になります。

ご利用者様からのニーズはとても高いため、24時間対応を行うステーションが多いのには頷けます。

ステーションによってオンコール当番は選択制というところもあります。

訪問看護で働く=オンコールをやらなくてはいけない、ということではありません。

いろんなステーションの当番方法


わたしが働く地域では、近隣の訪問看護ステーションのほとんどが24時間対応を行っています。

1人体制で待機するステーションもあれば、2人体制での待機を行うところもあります。

2人体制でのオンコールは深夜でもカンファレンスや相談ができたり、1人が出動している際に電話があってももう1人が対応できるというメリットがあります。

4〜5人で交代制をとるステーションであれば、2人体制での待機にすると1人体制で待機を行う場合には当番回数が倍になりますので、身体的な負担は多くはなります。

当番をする看護師は、ステーションの代表電話を携帯電話に転送して持ち帰り自宅で待機します。

専用の緊急時電話番号を用意しているステーションもあります。

オンコール当番時の勤務時間はステーションによりますが、勤務時間中はいつでも出動できる準備をしています。

ちなみにオンコール当番の際の1回あたりの手当ては「1,000~2,000 円未満」の事業所が 34.2%、「2,000 ~3,000 円未満」、事業所が 31.0%、「3,000~4,000 円未満」の事業所が 10.1%であるとのことです。

面接の時に給与関係を聞くのってちょっと気まずいかもしれませんが、聞けるととても参考になりますね。

わたしのオンコール待機の日の過ごし方


これはわたしの過ごし方ですが、ご参考までにどうぞ。

日中の訪問業務を終えたら、管理者から状態に変わりのあったご利用者様の情報共有をしてもらいます。

点滴指示や頓服の追加、酸素投与やカテーテルの使用開始などがある方については医師からの指示書も合わせて確認を行います。

そして定時になったら緊急対応用携帯を持って帰宅します。

帰宅すると家事がありますので、電話の着信音が聞こえるようにして普段通りの家事を行います。

体調が悪い人が多い時期には、夕飯は作り置きなどで済ませられるようにも工夫しています。

主観ですがオンコールはだいたい20時〜24時頃になることが多い印象でした。

お風呂や翌日の準備を済ませたら、子供と一緒になるべく早めに寝てしまいます。

というのも、朝までいつ鳴るかわからない電話を寝ずに待機していると、精神的にも体力的にも負担が大きいからです。

電話が鳴らない日もありますから、あまり自分のペースを乱さずに生活するのが一番ストレスを溜めません。

電話はいつでも聞こえるよう近くに置いておけば大丈夫!

もちろん電話が鳴ったらすぐに起きて、必要があれば出動します。

この後の項目でも書いていますが、日中のケアを十分にしておけば、緊急の呼び出しはグッと減らすことができます。

わたしも最初は緊張して眠れない、ということもありました。

初めてオンコール当番を行う時には、休みの前日を希望してみるといいですね。

備えあれば憂いなし!必要な情報収集


オンコール当番を担当する際、「どう対応していいかわからなかったらどうしよう。」と不安になる方も多いと思います。

わたしもオンコールを始めた頃は、自信がなく不安が大きかったことを思い出します。

そんな不安を少しでも減らし、心の負担を減らすのが情報収集です。

まずは緊急対応が必要なご利用者様がどのくらいいるのか確認してみましょう。

ステーションによってはご利用者様を担当制にしていて実際にお会いしたことないご利用者様がいることもあるでしょう。

そのような場合も、必ず医師からの指示(訪問看護指示書)は出ています。

体調の安定していない人を優先に、指示書に記載された医療機関や疾患名、頓服の内服薬や座薬、点滴指示の確認はしておきます。

病院での約束指示のように、訪問看護でも必要時には細かな約束指示をもらっておくことで夜間も慌てずに対応できます。

また、看護記録や担当看護師からの申し送りを受けておくことで、日々の状況や対応方法がわかります。

救急搬送が必要となる場合もありますので、救急搬送の手順も確認しておくといいですね。

オンコールを持つ前にはご利用者様の情報収集をしっかりとしておき、出動に備えます。

全て覚えることは困難ですから、暗記はしなくて大丈夫です。

ステーションによっては緊急対応が必要な方の情報をまとめてファイリングしていたり、電カルの情報をタブレットで持ち帰るところもあります。

ステーションのルールに則って、十分な情報収集をしてください。

実際にあった事例1


膀胱留置カテーテルを使用しているご利用者様の家族からの連絡があり、「尿が出てこない。」
とのことで緊急訪問をしたことがあります。

対応方法を検討しながら訪問先に向かいました。

『カテーテルが詰まっていたり抜けていたら、自宅に置いてあるカテーテルセットで入れ替えよう。もし脱水で尿が出てこないならすぐに先生に連絡しよう。』と、こんな感じですね。

必要時には救急搬送ができるよう、手順の確認も行いました。

訪問して確認してみると、カテーテルの一部がねじれて閉塞してしまっていたことが原因でした。

ねじれを解除すると尿の流出が確認できました。

再度ねじれが生じないよう固定の方法を工夫したり、カテーテルのねじれの確認方法をご利用様家族にお伝えし、訪問を終了しました。

翌日ステーションのカンファレンスで報告し、カテーテルを使用している方にはねじれやミルキングについて指導を計画していくことを提案しました。

実際にあった事例2


夜間、精神疾患を抱えたご利用者様から連絡があり、「なんだか不安でどうしていいかわからない。」とお話がありました。

不安に思った経緯を傾聴すると、仲間内の人間関係が原因であることがわかりました。

ご利用者様と一緒に思考の整理をすると不安は軽減しました。

その後眠れない場合には頓服の使用をすることとし、電話対応で終了しました。

翌日医療機関へ緊急コールの内容を報告しました。

次回訪問時には思考の整理方法や、頓服の使用前に症状緩和につながる行動などをご利用者様と検討しました。

実際にあった事例3


看取りを予定しており、徐々に状態の低下が見られていたご利用者様がいました。

排尿が止まり、無呼吸も見られるようになっていました。

往診医からも、「お別れの時が近いでしょう。」と説明がされていました。

明け方、ご家族から連絡がありました。

「呼吸が止まりました。」とのことで、緊急訪問を行いました。

呼吸、脈拍の停止、瞳孔の散大、対光反射の消失を確認し、往診医へ報告しすぐに往診医が到着しました。

往診医による死亡確認のあと、エンゼルケアを行いました。

今までの家族の介護の労をねぎらい、ご利用者様との思い出を共有しながら丁寧にお身体をきれいに
させていただきました。

その日まで休むことなく続いた療養生活とは正反対の、静かで穏やかな時間です。

「できることは全部やった、悔いはないよ。」と話し、眠るように横になるご利用者様のお身体を大事に大事に拭くご家族。

頑張りましたね、とお声かけると、わたしの方が感極まって泣いてしまうこともあります。

人生の終いを自分の家で、と決めたご利用者様の希望を叶えられた朝でした。

オンコールでの出動を最低限にするための対策


オンコールでの出動は、もちろん0にはできません。

しかし、極力減らした方がわたし達訪問看護師の疲労も少なくなります。

事例1であったように、日中にできる備えは訪問時に行っておく方が良いでしょう。

緊急時を想定して日中の訪問内容を計画することはとても重要です。

また、事例2であるように頓服類の指示も訪問の際にご利用者様やご家族と一緒に確認しておくと、緊急時に慌てることなく対応できます。

電話だけでは状況がつかめない場合にはもちろん出動しますが、事例2のように電話での対応で事足りることもあります。

事例3のように状態の予測が立っていれば、いつ呼ばれてもいいように心の準備もできます。

情報収集や事前指示の依頼、状況の把握により、オンコールの負担感は格段に変わります。

まとめ

  • ご利用者様からの24時間対応のニーズはとても高い。
  • 訪問看護で働く=オンコールをやらなくてはいけないではない。
  • 情報収集で備えれば慌てずに対応できる。
  • 日中の訪問から緊急時を予測した看護計画で出動軽減!

オンコールの実際についてお話ししてみました。実際のオンコールが少しイメージできたでしょうか。約400日連続でオンコール当番をやり抜いて出した答えが今回の内容になります。あなたのオンコールに対する不安を少しでも取り除けたら幸いです。

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在宅で看護の楽しさをたくさん感じていただければと思います。

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参考
平成 27 年度 全国訪問看護事業協会研究事業|訪問看護ステーションにおける24時間対応体制に関する調査研究事業

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この記事を書いた人

総合病院で病棟勤務後、出産を機に訪問看護に転職。
訪問看護初心者であり、子育て真っ盛りの1児の母でありながら管理者に就任。3年半の管理者生活を降任し、現在は訪問看護師として働きながら新たな訪問看護師の仲間を増やすため初心者ブロガーとしても活動中。
お酒とホームパーティが大好きな30代半ばの働くママ。

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