こんばんは、あすぴです。
訪問看護でのケアの統一って、課題だと思いませんか?
わたしもケアの統一が図れておらず、大失敗したことがあるんです。
わたしが経験した訪問の大失敗の事例と、解決策をお話ししたいと思います。
初めての訪問先での大失敗
人工肛門(ストマ)を増設し、自宅にご退院されたM様。
人工肛門のパウチ交換と状態観察は訪問看護師が行っていました。
ある日、緊急訪問が重なり予定していた看護師に代わって、M様の訪問を急遽わたしが伺うことになりました。
訪問予定だった看護師から電話があり、使用している物品や手順を聞きました。
わたし自身、パウチ交換の経験はあったものの、経験値がとても低い処置でした。
使用していたのは初めて聞く物品名でした。
インターネットで商品名を検索し、おおよその物品をイメージして訪問に備えました。
ご利用者様宅につき、ご挨拶をしてケアに入りました。
初めて伺ったわたしにやや緊張しているご様子がありました。
申し送りがあった物品を確認すると、イメージしていたものと異なる物品でした。
まずそこで「えーと…。」と、一度手が止まってしまいました。
ご利用者様の視線を感じ、すごく焦っている自分を隠そうと必死でした。
もう一度カルテを見返し、なんとか物品の使用方法はわかりました。
シャワー浴のあと、面板の準備をして、いざパウチを貼り付けようとしたときです。
「ちょっと待って。この順番で合ってる?」
ご利用者様からストップが入りました。
申し送りで聞いた手順と異なる方法だったため、さらに焦るわたしがいました。
ご利用者様のおっしゃる手順に変更し、パウチを貼り付けました。
そして一言。
「あなた、いつも来てる人から何も聞いてこなかったの?」
M様はパウチの貼付が確認できたあとも、ストマを抱くように両手をいつまでも当てていた姿が印象的でした。
確認が不足していたこと、ご不安を与えてしまったことを謝罪しました。
きっと焦りが顔や仕草に出てしまっていたんだろうとすごく情けなくなりました。
その後は少しお話をして、最終的には笑顔で見送ってくださいました。
今思い出してみても、もう一度時間を巻き戻して直したくなる失敗の話でした。
事例の問題点
今回の事例での問題点を抽出していきます。
- 看護師自身の知識や経験が不足していた
- 電話での申し送り時、確認が不十分であった
- 送った側と受けた側のイメージが違った
- ご利用者様との関わり方に不足があった
このような問題点が挙げられます。わたしはこの問題点に対し、次のような対応策を考えました。
看護師自身の知識や経験が不足していた
第一にこれですよね。
わたしの知識や経験が不足していたんです。
取りつくろう対応では、うまくいかなくて当然だったと思います。
訪問看護は疾患や年齢が様々で、オールジャンルの領域です。
そのため、自身の苦手とも向き合っていかなければなりません。
苦手分野こそ、十分な学習が必要だったと改めて実感しました。
また、現場でわからないことが発生してしまった際には、きちんと管理者やご利用者様のケアに当たったことのある他のスタッフに確認すべきでした。
慌ててカルテを見返すよりも、仲間へヘルプを出す方が的確なアドバイスをもらえたと思います。
苦手分野の学習と、不明点はその都度確認をして確実なケアを提供する。
1人でどうにかしようとしない。
確認が不十分であった
事例で出てきたケアの手順ですが、実際は申し送りを受けた内容であっていたんです。
根拠をもって手順を認識していなかったため、ご利用者様の問いかけに自信を持ってお答えすることができなかったのです。
申し送りを聞くのに徹していたのですが、それではよくなかったと思いました。
自分の中に落とし込んだ手順を、自分が考える根拠とともに言葉にして確認するとより確実だったと思います。
特に電話でのコミュニケーションは視覚的に情報を捉えられないため、どこがポイントなのかを、より注意を払って確認する必要があります。
今はテレビ通話も普及していますので、表情の見られるテレビ電話の活用もいいですね。
インプットだけでなくアウトプットで確実な申し送りを。
訪問看護の場合、テレビ電話の活用も有効!
イメージが異なっていた
電話での申し送りでの問題となるのが、申し送った側と受けた側のイメージが違う場合です。
事例であったように、同行をせず訪問することも出てきます。
そんなときに、口頭での申し送りでは想像しているものが人によって異なることがあります。
確実なのは、絵や写真を活用した物品や手順の説明です。
共通のイメージを持って訪問に伺うだけで、ケアはずっとスムーズになります。
在宅療養の場合、ご利用者様は様々の医療機関にかかっているため、処方される物品も多岐に渡ります。
それからは他のご利用者様宅でも、個別性の高いケアの場合には写真を撮らせていただき事務所内でケアの手順を共有しています。
今回のように急遽決まった訪問の場合には、「自宅にあるのはこの物品で良かったですか?」とインターネットのスクリーンショットでの確認もできたと思いました。
個別性の高いケアは写真や絵を入れた手順書を作成しよう。
ご利用者様との関わり方に不足があった
訪問前に、ケアの内容ばかりを重点的に聞いてからお伺いしましたが、もっと大切なことがありました。
わたしはいつも「疾患だけを見るべからず、患者自身を見よ。」と自分に言い聞かせてきました。
しかし、今回はM様がどんな人なのかに注目せず、ケアばかりに注目してしまっていたことに反省しました。
ストマを抱くように両手で包む様子から、排泄物が漏れることへの不安の強さを伺うことができます。
申し送り者は伝えていた内容でも、私自身がそこに注視できていなかったと改めて思います。
もっとしっかりと準備して、M様の不安に寄り添うことができたらよかったです。
「ケアだけをこなす」という態度は必ずご利用者様に伝わります。
どんな時でもご利用者様と向き合う姿勢を大切にしていきたいと考えます。
疾患だけを見るべからず、患者自身を見よ
失敗してしまったら
失敗は誰しもあります。
そして、全員「失敗しよう」と思ってやってないです。
誰に怒られてもわたしが認めます、あなたは「ちゃんとやろうとした」ことを。
もし訪問先で思うようにできなかったら、まずはイイワケせずに素直に謝ります。
わたしも自分の至らなさにより不安を煽ってしまったことを、きちんと謝罪しました。
そして、次回の担当看護師の訪問時には、同行させていただきました。
ケアの手順だけでなく、担当看護師がどのようにご利用者様と接しているのかが見られて、とても参考になりました。
ご利用者様宅で失敗してしまい、また厳しいお言葉を頂戴した時には、
「もうこのお宅には伺えないかも…。」
と落ち込んでしまうこともありますよね。
そんな時こそどうしたらうまくいくのか考えましょう。
次の訪問の時にも積極的に伺わせてもらいましょう。
振り返りをして改善策を考えれば、前回よりずっといい看護が提供できると思います。
まとめ
不明点はその都度確認をして確実なケアを提供する
1人でどうにかしようとしない
インプットだけでなくアウトプットで確実な申し送りを。
個別性の高いケアは写真や絵を入れた手順書を作成しよう。
疾患だけを見るべからず、患者自身を見よ!
失敗を恐れず、次はより良い看護を!
基本的にご利用者様のご自宅には1人で訪問します。
前回来た看護師とケアの方法や説明が異なるとご利用者様に不安や不信感を与えてしまうこともあります。
訪問看護では特にステーション内の情報共有は重要です。
訪問に出たら事務所に帰るまで、同僚と直接顔を合わせることができない訪問看護。
情報共有の方法も工夫することで、ケアの統一はできます。
あなたのお役に立てれば幸いです。
明日も一緒に頑張りましょう。
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