こんばんは、あすぴです。
先日、特別管理加算について、このような質問をいただきました。
真皮を超える褥瘡があるご利用者様は、特別管理加算が算定できるんですよね!
そうです!
でも一定の基準や条件を満たす必要がありますので、ご注意くださいね。
というわけで、今回は訪問看護の特別管理加算Ⅱの「真皮を超える褥瘡の状態」で加算をとる方法について、詳しくお伝えしていこうと思います。
訪問看護を始めたばかりの看護師さんや、訪問看護で請求業務を担当する事務の方、褥瘡の治療に当たる訪問看護ステーションの皆様に役立てていただきたい記事です!
訪問看護の特別管理加算って?
訪問看護の特別管理加算とは、基本料金に追加して算定することができるものです。
特別管理加算の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。
今回のテーマである加算のとれる褥瘡ですが、褥瘡の深さが定められています。
それが、「真皮を超える褥瘡の状態」です。
- 以下のいずれかを受けている状態にある者
- 在宅自己腹膜還流指導管理
- 在宅血液透析指導管理
- 在宅酸素療法指導管理
- 在宅中心静脈栄養法指導管理
- 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
- 在宅自己導尿管理
- 在宅人工呼吸指導管理
- 在宅持続要圧呼吸療法指導管理
- 在宅自己疼痛管理指導管理
- 在宅肺高血圧症患者指導管理
- 人工肛門また人工膀胱を造設している状態
- 真皮を越える褥瘡の状態
- 【医療】在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
【介護】点滴注射を週3回以上行う必要があると認められる者
「真皮を超える褥瘡の状態」は、特別管理加算Ⅱに該当する項目です。
特別管理加算Ⅱの項目に該当する場合には、医療保険で2500円、介護保険で250単位の加算をつけることができます。
復習してきました!
では、「真皮を超える褥瘡の状態」とはどのようなものか、具体的に説明していきます。
特別管理加算Ⅱで算定できる「真皮を超える褥瘡」の状態は?
皮膚は大きく表皮→真皮→皮下組織と分けられます。
表皮は約0.2mmと、とても薄い膜です。
表皮が圧迫や湿潤によりダメージを受けると、持続する発赤や紅斑を生じます。
皮膚の損傷は認めません。
これをNPUAPによる褥瘡の重症度分類では、ステージⅠの褥瘡と言います。
真皮の厚さは部位によって異なりますが、1〜4mm程度です。
ステージⅠの褥瘡を超える、水疱やびらんを呈する褥瘡は、真皮までの褥瘡です。
これを、NPUAPによる褥瘡の重症度分類では、ステージⅡの褥瘡と言います。
ステージⅡの褥瘡の場合、黄色壊死組織を伴わず、創底が薄い赤色やピンク色をしています。
上記のステージⅠ、Ⅱを超える褥瘡を、「真皮を超える褥瘡の状態」と言います。
つまり、NPUAPによる褥瘡の重症度分類でステージⅢ以上の褥瘡の場合を、「真皮を超える褥瘡の状態」というんですね。
ちなみにNPUAPによる褥瘡の重症度分類のステージⅢは、皮下組織までの損傷です。
皮下脂肪が見えていて、骨や腱、筋肉は露出していない褥瘡を指します。
黄色壊死組織が付着していることもあります。
なるほど!
皮膚の構造がわかると医師への報告もうまくできそうです!
褥瘡の深さによって治療内容や治癒までの期間も変わってきます。
褥瘡を早期発見できれば、治癒までの道のりも早いです。
できれば深い褥瘡になる前に対応したいですね。
では、真皮を超える褥瘡を有する場合、どのような条件を満たせば特別管理加算Ⅱを算定できるのでしょうか。
特別管理加算Ⅱの「真皮を超える褥瘡」を算定する条件とは?
「真皮を超える褥瘡」を有する場合、特別管理加算Ⅱを算定する条件は以下の通りです。
- 特別管理加算を算定するための条件を満たしている。
- 24時間緊急時対応ができる事業所として届け出をしていること
- 特別な医療的管理に対し訪問看護指示書への記載がされており、訪問看護計画を立て介入を行っていること(訪問看護指示書の褥瘡の深さの項目に記載があること)
- 定期的に(週に1回以上)褥瘡の評価を行っている。
- 褥瘡についての看護介入(部位や実施した処置など)が訪問看護記録に記載がある。
週に1回は評価をするんですね!
一人のご利用者様に複数名の看護師が関わる場合には、評価を忘れないように評価する曜日を決めておくと良いですね。
「真皮を超える褥瘡」を定期的に評価する方法
褥瘡の定期的な評価は、DESIGN -R®︎を用いて行います。
電子カルテの帳票に褥瘡評価票が備えられているものもありますが、紙カルテの場合や帳票がない場合には、日本褥瘡学会が作成している評価表が便利です。
DESIGN−R®︎は最大66点までで評価し、点数が高い方が重症度が高く設定されています。
褥瘡の大きさを測定する際には、わたしは目盛り付きのマスキングテープを使用しています。
皮膚に貼付しても傷つけることなく、必要量を切って使用したテープは使い捨てにできるので衛生的です。
カルテに残すための褥瘡の写真を撮影する際にも、メモリが見えて比較がしやすいですよ。
確かに、マスキングテープを貼ってからカメラをかまえられるのでブレなくて良いですね!
そうなんですよ。
訪問看護は基本的にひとりで訪問するので、定規を持ちながらカメラを構えるとめちゃくちゃブレちゃうんですよね😅
特別管理加算Ⅱの加算をとる条件がよくわかりました!
これでバッチリです♪
まとめ
- 真皮を超える褥瘡の状態にある者」とは、ステージⅢ以上の褥瘡を有する人を指す。
- 特別管理加算Ⅱを算定するには、定期的な評価や看護記録への記載が条件である。
- 訪問看護指示書に基づき、訪問看護計画を立案して看護介入を行う必要がある。
今回は、特別管理加算Ⅱの「真皮を超える褥瘡」について解説しました。
ご不明点やご質問がある場合は、TwitterのDMやお問い合わせフォームよりお受けしています。
お気軽にどうぞ♪
また、わたしが介護保険について学ぶ際にとても役立った参考書をご紹介しておきます。
わたしが一番最初に訪問看護の仕組みを勉強した時に、一番開いた参考書です。
訪問看護の診療報酬、介護報酬についてや訪問看護加算を学び始めた初心者の方におすすめです。
診療報酬、介護報酬を調べる時には手元に置いておくと便利です。
記事をお読みいただきありがとうございました。
今後ともどうぞ、【ウチくる看護】をよろしくお願いいたします😉
一般社団法人日本褥瘡学会ホームページ:http://www.jspu.org
コメント
コメント一覧 (2件)
初めまして。
お聞きしたい症例があります。
・24時間緊急体制を取っていないステーション
・パーキンソン病で真皮を超える褥瘡あり
・週4回の訪問介入
このような場合は、特別管理加算は算定できるのでしょうか?よろしくお願い致します。
はじめまして!
コメントありがとうございます。
ご質問の特別管理加算は、24時間対応体制を整えていて、都道府県知事に届出をしている事業所であれば算定することができます。
こちらの記事も併せて参考にしてください。
今回のご相談の症例ですと、特別管理加算の算定要件に当てはまらないようです。