訪問看護がもっと使いやすくなる知識|介護保険で利用する訪問看護

こんばんは、あすぴです。

訪問看護を利用する際には、介護保険と医療保険の2つの保険いずれかを使用します。
保険の制度については、年齢や疾患により分類されています。
医療保険と介護保険の分類についてはこちらの記事を参考にしてください。

医療保険での訪問看護の利用については、こちらの記事をご覧ください。

今回は、訪問看護における介護保険での利用について詳しく解説していきたいと思います。
この記事を見ていただければ、介護保険での訪問看護についてマスターすることができます!
介護保険の制度から、訪問看護の利用まで、しっかりと理解して日々の業務に役立てていただければ幸いです。
介護保険の制度についても詳しく解説していますので、訪問看護の利用については目次から必要項目までジャンプしてください。

目次

介護保険って何?

介護保険とは

介護保険制度とは、介護を必要な人を社会全体で支えるべく2000年にできた制度です。
介護保険を受けられる人は、第1号被保険者第2号被保険者に分けられます。

第1号被保険者は65歳以上を対象としていて、疾患を問わず認定を受ければ使うことができます。

第2号被保険者は40歳〜64歳までの16種類の特定の疾患がある方が対象で、上記と同じように認定を受ければ使うことができます。
16種類の特定の疾患は、以下の通りです。

介護保険は、市区町村が窓口となっています。
介護支援が必要な場合には、地域包括支援センターや市区町村の役所に相談し、住まいの市区町村の窓口に認定の申請を行います。
すると認定調査が行われ、医師の意見を踏まえて身体の状態に応じた判定がされます。

この医師の意見を踏まえての判定を行うために、主治医から「主治医意見書」という書類を記載いただき提出します。
また、判定を行うための審査を、「介護認定審査会」と言います。
よく聞かれる用語ですので、覚えておきましょう。

介護認定審査会での判定の結果で、要支援1から要介護5の7段階の介護認定が下ります。
判定によっては、介護認定が下りない場合もあります。
認定結果は「介護保険証」に記載されています。

介護保険の利用を管理するケアマネジャーとは

ケアマネジャーとは、正式名称を「介護支援専門員」と言います。
介護保険が交付された方ひとりひとりに担当するケアマネジャーがつき、介護保険の利用について計画を立てたり、訪問看護を含む各介護保険サービスの調整を行う専門家です。

ケアマネジャーは、主に地域包括支援センターや居宅介護支援事業所、介護施設などで働いています。
訪問看護は在宅サービスにあたるため、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のケアマネジャーと関わることが多いと思います。

要支援1、2の認定がされているご利用者様は主に地域包括支援センターのケアマネジャーが担当していることが多いです。
要介護1〜5の認定がされているご利用者様は介護支援事業所のケアマネジャーが担当しています。

介護保険サービスを利用する際には、ケアマネジャーがケアプラン(サービス計画書)を作成します。
ご利用者様の状態をアセスメントし、必要なサービスを選定して各事業所への業務を采配します。
そのため、訪問看護の利用はケアマネジャーからの依頼も多いです。

そして、訪問看護などのサービスが開始される時や、計画が変更になる時、半年毎の計画の見直しの際にはケアマネジャーから召集があり「サービス担当者会議」が開催されます。
サービス担当者会議では、日頃のご利用者様の様子を情報共有し、ケアプランに沿った各サービス事業所でのサービス提供について見直しや再計画を行います。

つまり、ケアマネジャーの方は介護保険サービスのまとめ役、リーダー的存在です。
わたしの働く地域でも、様々なサービス事業所同士をつなぐ重要な役割を担っていただいています。
ぜひケアマネジャーの方々とマメに情報共有を行い、他職種連携を強化していきましょう!

介護保険の限度額ってなに?

介護保険の認定は要支援1〜2、要介護1〜5の7段階に分類されています。
その7つの段階ごとに、1ヶ月に使用できる区分支給限度基準額が定められています。

区分支給限度基準額というのは、「限度額」と呼ばれることもあります。
7つの段階によって、支給される限度額が異なります
ご利用者様は、その支給された限度額の範囲内であれば、介護保険サービスを1割〜3割の負担で受けられます。
負担割合は、介護保険証と別に「介護保険負担割合証」というものに記載されています。

支給される限度額は以下の通りです。

介護保険では料金を「◯単位」で表します

介護保険の認定がおり、担当するケアマネジャーが決定します。
さぁいよいよ介護保険サービスを利用しよう、となると、気になるのは利用料金です。

訪問看護をご利用する際にも、ご利用者様がよく気にされているのは、「利用料金はいくらかかるのか?」というところです。
介護保険サービスを利用する際の料金は◯単位」と表示されます。
訪問看護に入職して初めて「◯単位」の詳細を学んだ看護師も多いのではないでしょうか。

1単位は実際いくらなのか?というところですが、実は1単位の値段は地域によって異なります
これは東京都の単位の換算表です。

東京都23区は1級地のため1単位は11.40円ですが、東京都あきる野市は5級地のため1単位10.70円となります。
このように介護保険の利用料は地域により異なりますので、事業所のある地区が何級地にあたるのか確認して料金の説明を行う必要があります。

介護保険で訪問看護を利用する場合とは

さて、介護保険の大枠を説明してきましたが、いよいよ訪問看護における介護保険の利用について説明していきます。

訪問看護を介護保険で利用する場合とは、次のフローチャートで介護保険に分類された場合です。

このフローチャートに示した通り、訪問看護を利用する場合には介護保険の認定を受けている必要があります。

また、介護保険の認定を受けていても、別表7に該当する場合や特別訪問看護指示書が交付されている場合には医療保険での利用が優先されます。

精神科訪問看護指示書が交付されている場合にも、医療保険が優先されますのでご注意ください。

訪問看護指示書についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。

介護保険での訪問看護は週に何回利用できる?

回数制限はない!

医療保険では、訪問看護を利用できる回数は基本的に週3日、1日1回までという制限がありました。
別表7または別表8に該当する場合にはこの制限が外れます。
また、特別訪問看護指示書が交付されている場合も、この制限が外れます。

では、介護保険では週に何回訪問看護を利用できるのでしょうか?

介護保険での訪問看護は、ケアプランに計画されていれば週に何回でも利用できます。
1日の利用回数の制限もありません
ケアプランに計画されていれば必要な回数を制限なく利用することができるのです。

回数制限はないけど限度額はあります

ただ、前述したように介護保険には限度額というものがあります。
そのため、頻回に訪問すれば限度額をオーバーしてしまいます。

例えば要介護1の認定がされているご利用者様の場合、1ヶ月の限度額は16,765単位です。
訪問看護を60分利用する場合には、819単位かかります。
そのため、限度額内で訪問看護を利用する場合には20回が限度となります。

しかし、介護保険サービスは訪問看護のみとは限りません
通所介護やショートステイ、福祉用具や訪問介護の利用も併用する必要があることが多いです。
そうすると限度額内での訪問看護の利用数は上記よりもさらに少なくなります。

限度額をオーバーして利用することもありますが、ほとんどは限度額内で計画してサービスを提供しています。
例えば先ほど出てきた要介護1の方のサービスを計画する場合、1ヶ月に60分20回の訪問看護を利用するとなると、合計で16,380単位となり、残りは385単位となりますね。
すると、緊急訪問が1回でもあればオーバーしてしまう可能性がある…こんなギリギリの計画はあまり立てません。

ケアマネジャーはこういったサービスの必要量を見極め、限度額内でサービスが収まるように計画してくださっているんですね。

しかし、ご利用者様の状態によっては看護の支援の回数を増やす必要も出てくると思います。
そのような場合には詳しい状況をケアマネジャーと共有し、サービスの調整を図っていただきます。
ご利用者様がタイムリーに必要なサービスを受けられるよう、日頃からケアマネジャーやサービス関係者との連携を図ることが重要です。

介護保険での訪問看護は何ステーションが支援できる?

医療保険では基本的には1人のご利用者様に対し、1つの訪問看護ステーションの支援が可能でした。
また、一定の条件により、3つの訪問看護ステーションまで支援することができました。
医療保険での訪問看護の利用のおさらいはこちら

では、介護保険ではいくつのステーションが支援できるのでしょうか。

これも前項で記載した支援できる回数と同様に、ケアプランに計画されていればいくつの訪問看護ステーションでも支援が可能です。

また、医療保険では同日に介入できる訪問看護ステーションは1事業所のみという決まりがありましたが、介護保険での訪問看護利用の場合には異なります。
介護保険での利用の場合、同日に複数の訪問看護ステーションが支援可能です。

そのため、午前中にA訪問看護ステーションが支援し、午後にはB訪問看護ステーションが支援することもできるのです。

介護保険での訪問看護の利用料金

介護保険での訪問看護の利用料金は、地域により金額が異なります
単位数を表記しますので、事業所のある地域が何級地か確認して計算してみてください。

介護保険で訪問看護を利用する場合、訪問時間が医療保険と異なります。
医療保険の場合は30分〜90分とケアに応じた訪問時間であり、30分でも90分でも基本料金は同じでしたね。
介護保険の場合には、20分未満〜60分以上(90分未満)で細かく分けられています。

また、要支援と要介護でも料金設定が異なりますのでご注意ください。
10割負担、1〜3割の自己負担の金額は、参考までに1級地の料金で表示しています。

Ⅰ−1(20分未満)の訪問は、Ⅰ−1のみでは利用できません。
週に20分以上の訪問を行う必要があり、加えて緊急時訪問看護加算の届け出をしていることが条件になります。

介護保険の訪問看護加算

介護保険での訪問看護には、このような加算があります。
加算とは基本料金に加えて算定するオプションのようなものです。
ご利用者様の状態によって算定される加算と、任意で算定する加算があります。
また、加算を算定する場合にはご利用者様に十分説明し、同意を得る必要があります。

加算の名前単位数
初回加算300
緊急時訪問看護加算574月に1回
特別管理加算 Ⅰ500月に1回
特別管理加算 Ⅱ250月に1回
退院時共同指導加算600退院前カンファレンスに参加した場合、退院後初回訪問時に算定
サービス提供体制加算訪問1回ごと
夜間・早朝加算
夜間(18時~22時)・早朝(6時~8時)
訪問看護費の25%増
深夜加算
深夜(22時~6時)
訪問看護費の50%増
複数名訪問加算(看護師と看護師等の場合)
30分未満
254
複数名訪問加算(看護師と看護師等の場合)
30分以上
402
複数名訪問加算(看護師と看護補助者の場合)
30分未満
201
複数名訪問加算(看護師と看護補助者の場合)
30分以上
317
長時間訪問看護加算30090分以上の訪問をした場合
ターミナルケア加算(介護予防は算定不可)2,000死亡月に算定
看護・介護職員連携強化加算250実施1回ごとに算定

介護保険では公費が使えるの?

介護保険でも公費を利用することができます
公費負担により、ご利用者様の自己負担額を軽減できる場合がありますので、該当する疾患の場合には受給者証を持っているか確認していきましょう。

特に見落としがちなのが、別表7に該当しない指定難病の場合です。
別表7に該当しない指定難病で、介護保険を有している場合は介護保険が優先となります。

指定難病は現在333疾患あります。※外部リンク
別表7に当てはまらないが指定難病の一つであり受給者証を有しているというパターンは見逃しがちであるため、よく情報収集を確認するようにしましょう。

なぜなら、介護保険での介入でも、指定医療機関である訪問看護であれば指定難病受給者証の限度額が適用になるからです。
指定難病の「自己負担上限額管理表」に使用した医療費の記載していき、上限額以上は利用者負担がなくなるという制度ですが、これは介護保険、医療保険でのいずれの利用でも医療費となります。
もちろん訪問看護指示書に指定難病の疾患名が記載されている必要はあります。

まとめ

介護保険で利用する訪問看護について解説してきました。
介護保険での訪問看護のポイントは以下の通りです。

  • 介護保険での訪問看護利用料金は地域ごとに異なる
  • 訪問回数に制限はない
  • 支援するステーションに制限はない
  • 区分限度支給基準額内での利用をケアマネジャーが調整する
  • 指定難病受給者は見逃しがちのため注意

介護保険での訪問看護を理解し、ぜひ日々の業務に活かしてください。
ご不明点やご質問がある場合は、TwitterのDMお問い合わせフォームよりお受けしています。
お気軽にどうぞ♪

また、わたしが介護保険について学ぶ際にとても役立った参考書をご紹介しておきます。
わたしが一番最初に訪問看護の仕組みを勉強した時に、一番開いた参考書です。
訪問看護の診療報酬、介護報酬についてや訪問看護加算を学び始めた初心者の方におすすめです。

診療報酬、介護報酬を調べる時には手元に置いておくと便利です。

長い記事をお読みいただきありがとうございました。
今後ともどうぞ、【ウチくる看護】をよろしくお願いいたします😉

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この記事を書いた人

総合病院で病棟勤務後、出産を機に訪問看護に転職。
訪問看護初心者であり、子育て真っ盛りの1児の母でありながら管理者に就任。3年半の管理者生活を降任し、現在は訪問看護師として働きながら新たな訪問看護師の仲間を増やすため初心者ブロガーとしても活動中。
お酒とホームパーティが大好きな30代半ばの働くママ。

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