訪問看護で100%必要なもの、それは訪問看護指示書です|5種類の訪問看護指示書がまるっとわかる!

こんばんは、あすぴです。

訪問看護をするのに100%必要なもの、それは訪問看護指示書です。
指示書がなければ、わたしたち訪問看護師は看護を提供できません

訪問看護指示書の仕組みをきちんと理解しておけば、主治医への依頼もとってもスムーズになりますよ。

まだまだ周知されていない訪問看護指示書の制度を、わかりやすく説明していきます。
この記事を読み終えたときには、すぐにでも訪問看護指示書を説明できるようになっているはずです。

目次

訪問看護指示書を交付する主治医は1人

病院では、点滴や注射、処置などの医療行為に必ず医師からの指示をもらって看護を行いますよね。
訪問看護も同様に、主治医からの指示のもとで看護を提供する決まりがあります。

主治医からの指示をもらわずに看護を提供することは絶対に厳禁です。
このようなトラブルを避けるためには、まずは依頼する訪問看護師が十分に訪問看護指示書について理解し、適切に依頼をしていく必要があります。

また、訪問看護では1人のご利用者様に1人の主治医が指示書を交付します。
そのため、複数の医療機関をかかりつけにしている場合、ご利用者様に看護の提供が必要と考えられる主疾患を診察している医師を主治医として指示書をいただくのが望ましいです。

なぜなら、訪問看護師は指示書をもらっている主治医へ定期的な報告を行うからです。
定期的な報告により、状態の変わりやすい原因となる主疾患を診察する医師との連携が図ることで、ご利用者様の在宅での状態を踏まえた治療を検討していただけます。
ご利用者様のより良い在宅生活を実現するためには、主治医と訪問看護師の連携は重要です。

訪問看護の種類は5種類

訪問看護指示書は、以下の5種類の書式があります。
それぞれ用途や決まりが異なります。

  • 訪問看護指示書
  • 特別訪問看護指示書
  • 在宅患者訪問点滴注射指示書
  • 精神科訪問看護指示書
  • 精神科特別訪問看護指示書

それでは、訪問看護指示書の詳しい内容を見ていきましょう。

訪問看護指示書

最も一般的な「訪問看護指示書」、いわゆる指示書と呼ばれるものです。
書式はこんな感じです。
これは厚生労働省の形式ですが、医療機関の電子カルテに導入されているものや、訪問看護ステーションで使用しているソフトに入っている書式でも同じように使えます。

訪問看護指示書/在宅患者訪問点滴注射指示書

指示書のタイトル部分ですが、記載の通りこの書式は「訪問看護指示書」としても「在宅患者訪問点滴注射指示書」としても使用できます。
後に出てくる「特別訪問看護指示書」も同じように「在宅患者訪問点滴注射指示書」として使えます。

使用の目的に合わせて、指示書名を◯で囲んでもらいます。

指示期間

この指示書は、主治医が指示期間が1ヶ月〜6ヶ月の指定ができます。
もし指示期間が未記入だった場合は、指示記載日から1ヶ月となります。

期間については主治医の判断で決まります。
例えば2ヶ月に1度の診察をしている場合には、2ヶ月間の指示期間とする医師もいます。

また、この指示書を交付すると、医療機関に300点(3000円)の算定が発生します。
医療機関はこの300点の算定を1ヶ月に1度取ることができますので、1ヶ月ごとに指示書を交付する場合もあります。
つまりご利用者様は、指示書の交付により医療費の自己負担1〜3割に応じて300円〜900円の料金を病院に支払うということです。

気をつけなければいけないのは、指示開始日が指示記載日(様式の一番下にある医療機関や主治医名を記載する項目にある日付)より前になっていないかということです。
時々記載日前の日付で指示開始日が記載されていることがありますので、受け取った際には必ず確認しましょう。

主たる傷病名

ここには主疾患や現病歴が記載されます。
医療保険と介護保険の記事でも載せましたが、保険の分類に関わる疾患名は特に注意して記載していただいた内容を確認しましょう。

特に、がんの場合は末期なのか、パーキンソン病の場合はホーエンヤールの重症度分類がいくつなのか、はっきりと記載してもらいましょう。

病状・治療状態

ここにはご利用者様の病状が記載されます。

【主たる傷病名】に「がん」と記載されていて、その状態が「末期状態」や「ターミナル期」、「終末期」などとこの項目に記載されている場合にも、「がん末期」として保険の分類ができます。

パーキンソン病についても、ホーエンヤール分類がここに記載されていてもいいです。

褥瘡の深さ、使用している医療機器

褥瘡の深さや使用している医療機器の項目は、「加算」という訪問看護の利用にあたって基本料金以外に発生するオプション料金を算定する際に必要になります。
ご利用者様の状態と相違がない記載をしていただく必要があります。

リハビリテーション

訪問看護ステーションに在籍する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のリハビリテーションを提供する場合には、必ずリハビリテーションの項目に記載をしてもらいましょう。

特に屋外歩行をリハビリの計画に組み込む場合には、リハビリテーションの項目に主治医からの許可を記載してもらう必要があります。
理由としては、訪問看護およびリハビリテーションは基本的には居宅で行われるサービスのため、自立支援を目的としたリハビリテーションの一環で屋外歩行を行う場合には主治医の許可を得る必要があります。

在宅患者訪問点滴注射に関する指示

週に2回までの点滴、注射の指示であればここに記載した指示で実施可能です。
週3回以上の点滴、注射になる場合には、「在宅患者訪問点滴注射指示書」の記載が必要になります。

中心静脈栄養は週に3日以上であっても「在宅患者訪問点滴注射指示書」に記載する点滴注射には含まれませんので、この項目に記載していただきます。

緊急時の連絡先 不在時の対応法

ここには主治医になる医師の緊急連絡先または対応法を記載していただきます。

ほんとーーーにごく稀なんですが、「訪問看護ステーションに緊急連絡」や「家族に連絡」と書いてくださる先生がいらっしゃいますが、主治医と訪問看護師の連絡方法ですのでご注意ください。

特別訪問看護指示書

特別訪問看護指示書は、特指示とも呼ばれます。
前述の通り、「特別訪問看護指示書」に◯をつけて使用します。

どんな時に出されるかというと、ご利用者様の急性増悪や退院直後などにより頻回な訪問が必要となった時に交付されます。

通常月に1枚の交付が原則で、期間は最大で14日間の指示が可能です。
さらに特別に、真皮を超える褥瘡がある場合と、気管カニューレをしようしている状態の場合にはさらにもう1枚交付することができるため、最大で28日間の指示が可能となります。
特指示が出されている期間は医療保険での利用が優先されます。
指示期間は月をまたいでも可です。

例えば介護保険で普段介入しているご利用者様に対し、月の途中から14日間の特別訪問看護指示書が交付されたとします。
そのため、このカレンダーで見てみると青く表示されたところが医療保険、緑で表示されたところが介護保険という利用になります。

医療機関が特別訪問看護指示書を交付した場合、月に1回100点(1000円)の算定をすることができます。

特別訪問看護指示書で注意すべきことは、初回はこの指示書単体では交付できないということです。
必ず「訪問看護指示書」と併せて交付されるものです。
これもごく稀にですが、「特別訪問看護指示書」のみを出してくださる医療機関がありますが、それでは効果を成しませんのでご注意ください。
その後は「訪問看護指示書」の指示期間内であれば「特別訪問看護指示書」のみ追加で交付していただいて構いません。

在宅患者訪問点滴注射指示書

在宅患者訪問点滴注射指示書は、専用の様式はありません
「訪問看護指示書」または「特別訪問看護指示書」と同じ様式を使用し、「在宅患者訪問点滴注射指示書」の欄に◯をつけて使います。

記載する欄が大きいので、「特別訪問看護指示書」と同じ様式を使用する医師が多い印象です。

この指示書は週に3回以上の点滴注射が必要と認める場合に交付されるものです。
週に1回7日間までの指示を、月に何回でも交付できます。

この指示書には、中心静脈栄養は含まれませんのでご注意ください。

医療機関はこの指示書を交付して点滴を週に3日以上行った場合、60点(600円)の算定ができます。

また、「特別訪問看護指示書」と同じように、初回はこの指示書だけでは使用できません。
必ず指示期間内の「訪問看護指示書」が必要です。
その後は「訪問看護指示書」の指示期間内であれば「在宅患者訪問点滴注射指示書」のみ追加で交付していただいて構いません。

精神科訪問看護指示書

精神科訪問看護指示書は、精神科の医師が交付できる指示書です。
精神疾患を有し、訪問看護の支援が必要とされる時にはこの指示書が交付されます。

この指示書が交付された場合、介護保険を有していても医療保険での利用が優先されます。

1つ注意しなければならないのは、主病名が認知症の場合には適用外ということです。
認知症のご利用者様への訪問看護が必要な場合、精神科の主治医でも「訪問看護指示書」に記載してもらい、介護認定を受けている場合には通常通り介護保険での訪問看護の利用となります。

期間については「訪問看護指示書」と同じく最大6ヶ月までの期間で交付できます。

また、この指示書を交付すると、医療機関に300点(3000円)の算定が発生します。
「訪問看護指示書」と同じく300点の算定を1取ることができますので、1ヶ月ごとに指示書を交付する場合もあります。

精神科特別訪問看護指示書

精神科特別訪問看護指示書は、精神疾患を有するご利用者様の急性増悪などにより頻回な訪問が必要となった時に交付されます。
指示書を交付できる医師は、精神科の医師に限ります。

指示期間は14日間までで、月に1度交付することができます。

「特別訪問看護指示書」と同じように、この指示書だけでは使用できません。
必ず指示期間内の「精神科訪問看護指示書」と併せて交付してもらいましょう。

また、この指示書を交付すると、医療機関に100点(1000円)の算定が発生します。

訪問看護指示書の書式はどこで手に入る?

訪問看護指示書は、以下のURLからダウンロードすることができます。
また、医療機関で使用している電子カルテや、訪問看護ステーションで使用している電子カルテや会計ソフトにも入っていることがあります。
いずれの書式でも使用することができます。

かかりつけ医へ訪問看護指示書の記載を依頼しよう

最初にお伝えしましたが、訪問看護を開始するには訪問看護指示書が絶対に必要です。
指示書がないままの訪問看護は絶対にしないでください。
原本が後追いで郵送されてくるとしても、電話やFAXなどで個人情報は伏せて内容を確認させてもらったほうがいいです。
原本は必ず訪問看護ステーションに保管する必要があります。
FAXやコピーではなく、必ず原本をもらってください。

訪問看護の利用が決まったらすぐに主治医に連絡して訪問看護指示書をもらう手配をしてください。
訪問看護指示書を依頼する時には、まずご利用者様のかかりつけ病院に連絡します。

病院によっては「地域連携室」や「退院支援相談室」で、指示書の記載について医療相談員(MSW)退院支援看護師とやりとりすることができます。
まずは代表電話番号に連絡して、どの部署が訪問看護指示書の依頼について担当してくださるのか聞いてみるといいでしょう。
クリニックでは受付の事務の方が対応してくれることもあります。

病院の方針として、患者様本人かご家族からのみ依頼を受け付ける、というところもあります。
それぞれの医療機関で依頼方法が異なりますので、初めて依頼する医療機関には詳しく案内を受けるようにしてください。

主治医が訪問看護指示書を記載していただけることになったら、主治医宛に郵送もしくは手渡しで依頼書を作成します。
返信用の封筒や、指示書の原本、記載見本を一緒に同封することもあります。
これも医療機関によってルールがあるため、必要かどうか事前の電話で確認しておきましょう。

まとめ

お疲れ様でした!
長い記事を読んでくださってありがとうございます。
指示書の種類は以下の表にまとめてあります。

指示期間特徴保険点数
訪問看護指示書1ヶ月〜6ヶ月通常使われる指示書介護/医療300点
特別訪問看護指示書14日間(条件により28日間)急性増悪で頻回訪問が必要な時医療100点
在宅患者訪問点滴注射指示書7日間(月に何回でもOK)週3日以上の点滴注射が必要な時介護/医療60点
精神科訪問看護指示書1ヶ月〜6ヶ月精神科医師のみ出せる
認知症は出せない
医療300点
精神科特別訪問看護指示書14日間精神疾患による急性増悪で頻回訪問が必要な時医療100点

訪問看護の利用にあたって必ず必要となる指示書についてお伝えしました。
入院期間の短縮や高齢化に伴い今後ますます在宅医療のニーズは高まります。
しかし、訪問看護の利用の制度についてまだまだ知られていないことがたくさんあります。

指示書の記載方法を理解し、病院と在宅医療のスムーズな引き継ぎに役立てていただければ幸いです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

仲間とシェアしよう!

この記事を書いた人

総合病院で病棟勤務後、出産を機に訪問看護に転職。
訪問看護初心者であり、子育て真っ盛りの1児の母でありながら管理者に就任。3年半の管理者生活を降任し、現在は訪問看護師として働きながら新たな訪問看護師の仲間を増やすため初心者ブロガーとしても活動中。
お酒とホームパーティが大好きな30代半ばの働くママ。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • この記事、今まで訪問看護指示書の種類や仕組を検索した中でダントツに分かりやすかったです。ありがとうございます。
    ある程度理解したうえで読んだからかなとも思いましたが、勉強し始めのころに最初に読みたかったなと思い返すくらいでした。

    一つ質問があります。
    医療保険の対象者 別表7の方で1日1回の訪問を毎日実施していた利用者様(指示書期間は3か月)に指示期間半ばで状態悪化し、点滴が1日のみ電話往診の形で指示を出された場合は、指示書の変更をしてもらう必要があるのでしょうか。記録書Ⅱや報告書にその旨がしっかり記載されていれば不要でしょうか。
    もし新たに指示書を出していただかないといけない場合、その時の指示書期間はどうなりますか?同じ指示期間にすると作成日に対して未来を予測する形になってしまうので不自然ですし。今回の方は1日だけ点滴をしてそのあと医療機関受診していただき、そのまま入院されました。3日以上の点滴指示なら在宅患者訪問点滴指示書を依頼しやすかったのですが。
    最初に指示書をもらうときの注意点が書かれているサイトは多いのですが、今回のように単発の指示があった場合はどうすればよいかわからず質問させていただきました。
    ご返答いただけますでしょうか?お忙しい中申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。

  • コメント、そして嬉しい評価ありがとうございます!

    指示書の記載についてですが、記録書Ⅱや報告書の記載のみでなく、主治医からの指示のもとで行った点滴であるという正式な書式が必要です。
    緊急時には口頭指示が先行することもありますが、書式が後追いになっても必ずもらっておいたほうがいいです。

    今回の場合は1日のみの点滴指示ということで、稀なパターンと思います。
    医療機関も週に3日以上の点滴を施行しなければ在宅患者点滴注射指導管理料が取れないので、3日以上の指示を出すことが多いですよね。

    ご質問いただいたご利用者さまは、点滴を要するような状態ですから、その前に記載してもらっていた指示書の状態と比較し変化が起きているのは明らかです。
    その場合わたしは、新たに1日分の点滴の指示を加えた訪問看護指示書を、口頭指示があった日からの指示期間でもらいます。
    点滴指示だけでなく、心身の状態や療養上の留意点など詳しく記載していただき、その指示の元で医療行為を提供します。
    在宅でも病院と同じように、「点滴をするように言われたからする」のではなく、最終実施者となる訪問看護師がどんな病状でどんな症状に注意して薬剤を投与するか把握しておく必要があります。
    先生にはご面倒とは思いますが、お互いのために、そして第一にご利用者さまのために訪問看護指示書をもらいましょう。

    すみません、偉そうに長々書きましたが、初めてのコメントに舞い上がりました(笑)
    今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします!

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる