こんばんは!あすぴです。
訪問看護では、ご利用者様に対し医師の指示のもとで居宅での看護を提供します。
医療的な支援を必要とする方にとっては、在宅での診療の補助や療養上の世話を行う訪問看護師の関わりはとても役立つサービスと言えます。
しかし、訪問看護ステーションによってサービスの質は差があるのが現状です。
ご利用者様にとって訪問看護へはどのようなことを求めているのかを知ることが、サービスの質の向上の第一歩と考えます。
今回は、厚生労働省の調査で分かった利用者が訪問看護に求めるものについてまとめてみました。
訪問看護ステーションで働く皆様、自身のステーションでのサービスの質の見直しにぜひ参考にしてください。
利用者が訪問看護に求めるものとは?
平成26年度の厚生労働省の調査によると、ご利用者様が訪問看護に求めることは以下のようになっています。
1位 24時間対応してくれる
2位 相談に乗ってくれる
3位 必要に応じて医師に連絡してくれる
いかがでしょう、予想した通りでしょうか。
では、それぞれ現場での詳細をご紹介します。
訪問看護に求めるものナンバーワンは24時間対応
ご利用者様が訪問看護に求めるもの、それは24時間対応です。
訪問看護ステーションが24時間対応を行うためには、事業所として届出が必要です。
届出をすることで、ご利用者様の同意により加算を算定することができます。
介護保険では緊急時訪問看護加算、医療保険では24時間対応体制加算といいます。
加算についてはこちらの記事に詳しく記載しています。
医療保険での訪問看護の加算を詳しく解説|現場に行く訪問看護師こそ加算のルールをしっかりと理解しておくべきです
全国訪問看護事業協会の調査によると、24時間対応を行うための届出をしている事業所は85%以上であるとのことでした。
全国の訪問看護ステーションのほとんどが24時間対応をできる体制にあるようです。
24時間対応は訪問看護師にとって体力的にも精神的にも消耗する大変なことです。
しかし、在宅で療養するご利用者様にとっては、訪問看護師に最も期待するサービスですね。
地域のケアマネジャーに新規依頼をいただく際にも、「24時間対応はしていますか?」と聞かれることが多いです。
ご利用者様のニーズに対応するには、訪問看護師が無理なく24時間対応を続けられることが重要です。
わたしの経験上、24時間対応は5人程度の看護師で回すことができるとかなり楽になります。
また、オンコールで出動があった際には勤務を調整するなど柔軟な対応をすることで、24時間対応を無理なく続けることができます。
相談窓口の一つとしても頼りにされている
ご利用様が訪問看護に求めるもの第2位は、相談に乗ってくれることです。
訪問の現場でも、疾患や介護に関することはもちろん、在宅療養における生活の工夫や保険制度や他サービスのことまでいろいろな相談を受けます。
それだけ訪問看護師を信頼しているということだと思います。
しかし、訪問看護師になって間もない未経験入職者の場合、持っている情報も少なくそのようなニーズに答えられないと心配になるかもしれません。
わたしも訪問看護の世界に飛び込んだばかりの頃は、介護保険サービスでどのようなことができるのか、医療保険や介護保険の制度など、全然わからずご利用者様の質問に答えられませんでした。
その頃から心がけていることは、その場でわからなくても必ず調べて返答するようにしたことです。
また、自分自身がわからなくても、返答のできる部署につなぐことも大切です。
「〇〇さんからこのような質問があり、ご対応いただけますか。」と情報共有することでもご利用者様のニーズに答えられます。
また、療養における生活の工夫は、これが正解といった決まりがありません。
療養環境に合わせてご利用者様やご家族とともに考え、試して評価して、ご利用者様に合った一番の方法を見出すことが大切です。
ご利用者様は、相談に乗ってくれて一緒に考え悩んで、より良い療養生活を見つけてくれる看護師を求めています。
どんな時にも真摯に向き合うことが、ご利用者様のニーズに答えることにつながります。
医師との連携は訪問看護師が率先して行う
ご利用者様が訪問看護に求めるもの第3位は、必要に応じて医師に連絡をしてくれることです。
訪問時にご利用者様の全身状態を観察していると、医師に報告が必要なことが出てきます。
ご利用者様本人やご家族から、心配事として相談される事もあります。
ご利用者様やご家族は、「こんなことお医者さんに聞いてもいいのかしら。」と遠慮してしまうこともあります。
そんな時には訪問看護師が、医師へ聞いた方がいい内容か、または看護師や他職種での対応が可能なのか判断します。
医師への報告が必要な場合には、訪問看護師が間に入ってスムーズにやりとりができると、ご利用者様や家族からの信頼はグッと高まります。
また、看護師から医師に報告する場合には、主訴以外のバイタルサインや身体所見、生活状況も合わせてお伝えできるため、医師にとっても判断材料が増え役に立つと思います。
訪問看護では病棟と違い、ご利用様の数だけ医療機関があり主治医がいます。
そのため、報告内容の緊急性や主治医によって報告方法を工夫するといいですね。
電話での報告以外にも、メールやFAX、手紙などアプローチの方法は様々です。
必要な時には遠慮せずに、積極的に医療機関と連携を図っていきましょう。
まとめ
今回は、「利用者が訪問看護に求めること」についてまとめました。
- 最も求められることは24時間対応!
- ご利用者様からの相談には、すぐに答えられなくても真摯に向き合う。
- 主治医への連絡は看護師が積極的に!
ご利用者様は、訪問看護師をとても頼りにしています。
訪問看護をやってみたいと思う看護師の方や、新入職の訪問看護師の皆さんの中には、「こんなニーズに答えられるかな…」と不安になる方もいるかもしれません。
大丈夫です。
心配なことは日々生まれてくると思いますが、必ず乗り越えられます。
事業所の管理者や先輩看護師、そして微力ながらわたしも、困った時には支えになります。
訪問看護師で、誰からも助けられず熟練した看護師はいません。
経験者は誰でも未経験者からのスタートですから、どうぞいろんな人の手を借りながらご利用者様を支えてくださいね。
それでは引き続き、訪問看護ライフを楽しみましょう♪
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